まなこんブログ

違和感を感じれるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日の出来事。

デイサービスの業務を終え、ちょうど帰ろうとしていた頃、うちのデイ敷地内をウロウロしている高齢の方を発見。男性。

見学かな?と室内から様子を伺うも、インターホンを鳴らしたり入ってこようとする感じはなし。でも、雰囲気は別に悪い方ではない。

私から声をかけてみることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私「こんばんは!お越しいただきありがとうございます!見学なさっていきますか?」

(80代前半くらいかな?)

 

 

その方「・・・ここって温泉ですか?」

(ヘルメットを被ってる。どうやら自転車でお越しになったようだ)

 

 

私「いえ!介護保険制度を利用するデイサービスという施設です!」

 

 

その方「一般の人は入れない?」

 

 

私「残念ながら、一般の入浴施設と違って・・・介護認定を受けた方がご利用できる施設となっております。ちなみに差し支えなければ本日はどちらからお越しになりましたか?」

 

 

 

その方「弘前市の〇〇というところから(ここから自転車で30分ほど離れている)。そっかぁ、いつも行っている〇〇温泉(デイの近く)が定休日で・・・どうしようかな?〇〇温泉に行こうかなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この発言がきっかけで、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まなこんは猛烈に違和感を感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この介護という仕事をやっていると、会話しながらその違和感を感じ、認知症があるのかな?と予想できる場面ってありませんか?

話した内容を理解しているか、会話に整合性があるか、雰囲気、身なり、時間帯・・・なんとも言い難いのですが、これが感覚というのでしょうか。

 

まず、この会話をしているのが17:30頃。いくら夏とは言え、次に向かおうとしている温泉は、この方のご年齢も考慮しても自転車で40分はかかる。仮に入浴できたとしても帰宅時には日が暮れてしまっている。これは・・・ちょっと怪しいな。しかも定休日だったとおっしゃる温泉施設の定休日を調べるも「営業中」。定休日はこの日の翌日だった。これは、止めないと。

 

 

 

 

 

私「〇〇さん(名前は教えて頂いた)、今からそこに向かうと、帰る頃には日が暮れちゃいませんか。今日は自宅に戻りませんか?」

 

 

その方「いや、大丈夫だ!いつもこうしている」

 

 

私「・・・わかりました。では十分お気をつけて向かって下さい」

 

 

その方「ありがとう」

(大変失礼だが・・・後ろを振り向いた瞬間、スマホで撮影させて頂いた。理由は後程)

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

私「あ!〇〇さん!もしかして道に迷われたり、帰り道がわからなくなったりしていませんか?お困りでしたらご協力しますよ。うちには自転車を付けて自宅までお送りできる大きな車(ハイエース)があります!」

 

 

その方「大丈夫だ!日ごろから私は・・・(そっか。これ以上は関与できないな)」

 

 

私「そうでしたか!わかりました。すいません。十分、お気をつけ下さい)

 

 

 

 

 

 

さすがにあとは見送ることとした。これ以上、いらぬことを言って怒らせてしまうのもアレだし、本人の自由もある。もしかしたら私の思い過ごしかもしれない。

 

その方が自転車に乗り、進んでいく方向を見届けた。・・・自転車はフラフラ、信号は無視、横断歩道のない道路を目視なしで渡る・・・危ない。本当に、大丈夫だろうか?

そして決定的なシーンを目の当たりにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本人が次に行く、と宣言していた方角とは違う方向に向かっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さすがにこれは・・・何かあってからじゃ遅い。気が付いたら警察署へ連絡していた。

一応、情報提供までにというスタイルで話した。先ほどから申し上げているが、関与のし過ぎもまた問題であると考えているからだ。

氏名、目測の年齢、服装、自転車の色・・・そして警察からこの一言が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご本人の姿を写真などで確認できるものってありますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほら。やっぱり。

お断りしておくが、このようにとっさに写真を撮ったのは人生初。そんな来客者を全て撮影しているようなサイコパスではございませんので誤解なさらぬよう。全てのきっかけはただならぬ違和感を感じたから。

写真がある、とお伝えしたところ警察も「すぐに施設に向かいます!写真の確認だけでもさせて下さい」と。

 

警察が到着する間、私は急いで自分の車を走らせ、その方が向かったであろう方向へ急いだ。今日「は」もう帰ったほうがいい、とだけ伝えたかった。

車を走らせるも・・・姿が見えない。あの自転車の速度だとそんな遠くに行ってないはずだが、よし・・・ここを曲がろう。

あてずっぽうで車を走らせるも、本人の姿が見えないとこちらも不安になってくる。焦る焦る。時間との勝負だ。・・・次はここを曲がる!

ただただ勘で車を走らせる。もう、勘。自身の身内が行方不明になって自力で探す感覚は、こんな感じなのだろうか。早く見つけないと、日が暮れてしまう。

 

そして、その勘が報われることとなる。とある道を左に曲がった先に、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自転車を漕いでる〇〇さんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安全のため、自転車を大きく追い越し、かなり前方で車を停める。私は車から降り本人が向かう逆方向へ、本人と合流するようゆっくりと歩いて向かう。

 

 

 

 

私「〇〇さぁーん!」

 

 

その方「ん?」

 

 

私「先ほど、湯口のデイサービスでかくかくしかじかで・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その方「ん?そんなことあったべなぁ?」

(やっぱり。さっきの出来事を覚えてない。よし、作戦を変える)

 

 

 

 

私「私、実は〇〇さんの事を昔から知ってて、奥様から(奥様がいるかどうかもわからない。ここはギャンブルに出る)、今日は自宅に戻るように、とお伝えに参りました」

 

 

その方「家内が?そんなことを?(よし!奥様はいらっしゃるんだ)」

 

 

私「ですです!なので、今日は〇〇温泉はあきらめて自宅に戻りませんか?暗くなりますし、奥様も心配しているようですよ」

 

 

その方「うーん、家内がそう言ってるんなら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迷惑かけないうちに今日は帰るじゃ」

自転車をUターンして頂いた。良かった。

※ちなみに私、白バイ乗れるって凄くないっすか?(そんなの今はどうでもいい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰る前、自宅の電話番号を教えて頂き、その場で電話を掛けるも「現在使われておりません」。一応、快く住所も教えて頂いた。

これ以上、私に出来ることは・・・ないだろう。自身がやれることはやり切った。あとは無事に帰れることを祈り、仕事場へ戻ろう。

 

デイサービスへ戻ると、ちょうど警察の方が2名到着しており、事情を言付けしておいたデイ所長と話していた。

電話してからの様子と、だいたいの現在いる場所、本人の写真、住所、電話(つながらないけど)を伝え、警察の方が改めて本人の元へ向かってくれた。良かった。

 

警察から「今回の件、何か進展があれば長谷川さんへ連絡必要ですか?」と言われたが、「本人が無事に自宅に帰れるだけでいいです。特に私に連絡はいりません。あとはお願いします」と我ながらカッコいいセリフを言ってしまった。しかし、頭の中で「ワンチャン感謝状もらえたやん!」の文字が浮かんでしまったことは名誉のために言わないでおく。こういう大人になってはいけない。

 

 

と・・・退勤間際にドタバタした一日でしたが、何よりも安心を得れたことで少しスッキリしました。

 

 

 

 

もしかしたら・・・今回、別に私が何もせずとも「何も起きなかった」のかもしれません。どうにかこうにかして自宅に帰れたのかもしれない。

しかし、私は人生において、出会いや別れには何かしらの意味・示唆があると強く考えており、この出会いはきっと何かのSOSかもしれないと予想します。たまたまうちのデイを訪れた・・・それは本当にたまたまなのか?と。

加えてこの「介護」という仕事のプロである以上、状態を即座に把握し、これからこの高齢の方に起きるであろう、少し先のことを予想することも絶対に必要です。

長年の経験が(おせっかいだと思われようとも)、事故や事件を未然に防いだ、と自己評価することとします。

 

 

ではでは、本日も閲覧頂きありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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