手作りの魅力
今回のテーマは「手作りの魅力」
青森県と非常になじみ深い津軽三味線の魅力について綴っていきます。
一言に津軽三味線と言っても、ギターのようにおおまかにグレードというかランクがあります。
一般的に稽古用の木材は
花梨(かりん)
少し明るい木目が特徴です。
上級者や舞台用での演奏は主に
紅木(こうき)
こちらは赤黒い。
これらの木材でギターのネック部分あたる「棹(さお)」が作られています。
(その他にも材質がありますが大まかにはこの二種類です)
テレビなどで聞く津軽三味線の音色のほとんどは紅木の三味線によるものだと思っても大丈夫です。
私も津軽三味線を始めたころは中古の花梨材の三味線を買いました(それでも15万・・・)
でも師匠に「すぐにいいやつ(紅木)が欲しくなるよー。最初からいいやつどう?」と言われたのですが、あまりの値段の高さに手がでませんでした。
覚えるまではそれで良かったのですが、結果的に・・・
半年後にフルローンを組んで紅木三味線を買い直す
という失態を冒しました。
(個人的に下のランクを使っているというプライドが許せなくなってきたことと、やはり決定的に音質が違うことが理由です)
そして音を倍増させ響かせる
太鼓
こちらの白い部分は犬の皮。
津軽三味線は撥(ばち)で叩きつける奏法が多く、少し頑丈な犬皮が使われております。
↑模様が美しいべっ甲撥(カメの甲羅)
また、この皮の貼り方次第で津軽三味線の音色も大きく変わります。
強く張る→破れやすいが、迫力ある音。エレキギターのような鋭利なサウンド。
弱く張る→破れにくく、長持ちするが、音量は足りない。こもっているような音色になる傾向がある。
これまた管理が大変で、雨にぬれたり湿気が多い季節に放っておくと・・・
破れる。
破れたら専門の業者さんへ張替えをお願いしなければいけません。
(片面〇万・・・。お金がかかる楽器です)
私も過去何度も張替えし・・・嫌気がさしてきたのですが、技術が進歩しほぼ破れない&本皮と遜色ない音がでる「リプル」という人工皮を張っています。
これを張ることで近年は皮が破れることはなくなりました(3年ほど張り替えていない)
ただデメリットを言えば本物の皮よりも「深み」とか「奥行き」がなく、なんとなーく「撥で叩いた音を作業的に倍増している」という個人の感想です。これは本当の皮の特性である伸び縮みがないことが原因ではないかと個人的に思います。(ミュージシャンみたいなこと言うのね、下手なのに)
話は戻り、これらは全て職人さんの
手作り
工芸品に近く、この手作りという部分に日本人の魂というかロマンを感じます。
さて、さらっと紹介した「津軽三味線」
次回は津軽三味線の独特の奏法についてご紹介致します。