伝承
さて、前回ブログの
「手作りの魅力」
さらっと津軽三味線について触れましたが、いかがだったでしょうか。
今回は津軽三味線の奏法について。
ほとんどギターの奏法を
北斗神拳伝承者に負けないくらい
伝承しています。
ギターが先?三味線が先?
ここでは津軽三味線ならではの特徴をご紹介します。
ではレッツゴー。
①フレットがないので押さえる場所がわからない!
画像では印も何もついていません。
これが初心者が苦しむポイント。
でも、きちんと「ツボ」と呼ばれる押さえるポイントはあるんです。
ギターやっている友人にこの話をしたら・・・
「決まった音階が出る場所があるんなら、何か印つければよくない?」
と言われました。確かに私もそう思いますし私に言われても困ります。
なので
こちらのようにシールを貼り、印をつける方法もあります。
でも慣れてくると別に印なんていらなくなるんです。慣れって凄い。
②叩く場所によって音色が変わる!
こちらは皮を剥いだ三味線。
真ん中は空洞ですが、周りに木枠があります。この棹の付け根の木枠のところに撥を当てると「チン」というやわらかい、繊細なサウンドがでます。
ギターで言うところのリア・フロントピックアップのような感じです。
こちらがギターのピックアップ。
スイッチでマイクが音を拾う位置を切り替えることで音色が変わる。
場所によって音色が変わるのは弦の張りの強さが違うからです。
津軽三味線にマイクはついていないので・・・
撥を前・後ろと動かす技術が求められます。
後ろ撥
前撥
③撥だけでなく一緒に親指も糸に当てている!
撥の先で糸に当ててると思う方が多いと思うのですが、
布袋並みに糸に当たる瞬間に親指を当てています(特に前撥のとき)
こうすることで、「バチン!」と歯切れの良い音がでるんです。
その他にも親指が音の振動の抵抗となり音量を下げる、という効果もあります。
④小指でミュートしている!
演奏中、上から三味線を映したもの。
撥の抑える手の小指が「駒」についてるのがわかるでしょうか。
※三味線の糸を張らせている「駒」
こうすることで小指が糸の振動の抵抗となり、音量が抑えられます。
津軽三味線は静かに演奏するシーンがたくさんあり、より雰囲気を出すため極限まで音を抑える技法がたくさんあります。
先ほどの親指を当てる奏法と合わせるとかなりの音を抑えることが出来、曲の抑揚をつけることができます。
演奏中に撥を持っている手側の小指をスッと出すので、最初は撥を落としたり、撥を持つポジションがずれたり・・・これも練習が必要となります。
最後に、奏法とは関係ありませんがなによりも
撥がデカい!指も痛い。扱いづらい
慣れてくれば全然大丈夫ですが、最初は痛いです。ていうーか独特の持ち方なので痛いはずです。
とここまでご紹介した津軽三味線の奏法。
はたから見ると何気なく弾いている三味線でもいろいろな技術が詰まっており、奥深い楽器です。
今後もその魅力をお伝えしていきます。